2017.03.30 Thursday

恋バナって他人事に限るよね

 

 

ある後輩とご飯を食べていた時、彼は「俺にとって初恋の思い出は特別なものなんです。」と言って話してくれたものを1人帰り道で思い出していた。

 

あれは高校1年生の夏でした。

 

 

 

 

「好きです。付き合ってください。」

 

 

 

 

それは特に変わった告白ではなく、素直に気持ちを伝えるだけの平凡なものだした。その子のことが異性として好きだったかと言われればそんなこともなかったですが、嫌いだったわけでもないし、とりあえずその告白を受けることにしたんです。

 

「俺でよければ」

 

今までそんな経験がなかった俺は、告白の返事としてあっているのかよく分からなかったですが、そう答えました。

その子の印象は、小柄で髪は短く、大人しい子というものでした。

付き合う以前は2人できちんと会話をするようなこともなかったので、それ以外は「宇仁みか」という名前を知ってる程度でしたね。

付き合って見たら意外にも活発で、可愛らしく俺は徐々に彼女を好きになっていきました。

誰かを好きになることがそれまでなかった俺は、このとき初めて人を好きになったんだと思います。

こんなことを言うのは恥ずかしいですけどね。

まあ、そんな感じで俺は彼女のことが大好きになり毎日が楽しかったんです。

ただそれも長くは続きませんでした。

あるとき彼女の方から言われたんです。

 

「私たちもつ別れよう。」

 

あまりにも唐突でショックが大きかったですね。理由が知りたくて聞いてみたら、

 

「あなたの愛が重いと感じるようになってしまったの。このまま一緒にいるとあなたを嫌いになってしまうかもしれない。だから別れたいの。勝手でごめんね。」

 

そんなことを言われたら何にも言えなくなっちゃいましたよ。俺が悪いわけでも、彼女が悪いわけでもないんだと思うんです。それでも俺にとってすごく悲しいことで、言われたときはすぐには答えられないから少し待ってほしいって言ったんです。それから少し時間をおいて1人で考えたら、案外恋人が別れるときってこんな感じなのかなとか冷静に考えられるようになりました。

お互いが嫌いになってケンカ別れをするよりも良いかなって、前向きに思えるようにすらなりました。

結局、次の日には別れることにしたんです。別れたのが夏休みだったのもあって、学校が始まるまでは彼女と会わないのも良かったですね。やっぱり、いくら気持ちが落ち着いたとしてもすぐには自然に話しかける自信はなかったので。まあ1人になっちゃった俺は、特にやることもなくダラダラ過ごして夏休みを終えました。

そしてまた学校が始まって、いつものように登校して教室にいきました。彼女と気まずい空気にならないよう自然に挨拶を交わそうと、しっかり家で練習をしていた俺は教室を見渡しましたが彼女はいませんでした。いつもなら早めに教室に来てる彼女がまだ来てないってことは、今日は休みなのかもしれないと考えていると担任がやって来ました。出席確認のときに彼女が休みかどうかはわかるだろうと思っていた俺の予想は大きく外れました。彼女の名前が呼ばれなかったんです。単に先生が飛ばしただけだと思って、

 

「先生、宇仁のこと飛ばしてますよ。」

 

と言ったんです。でも、先生にはこう言われてしまったんですよ。

 

「やすひと、このクラスに宇仁なんて奴はいないぞ。休みボケか?今日から授業始まるんだからしっかりしろよ。」

 

俺は何かの冗談かと思って周りを見渡しましたがみんな笑いながら、「宇仁て誰だよ。」「夏休み中に勝手にクラスメイト増やすなよ。」「大丈夫?」と誰もが宇仁みかの存在を忘れてしまったようで、俺はそれ以上何も言えなくなってしまいました。休み時間に彼女に連絡を試みても反応はなく、放課後、彼女の家に行ってみてもそこにはすでに違う人が住んでいたんです。まるでこの世界から宇仁みかという存在が消えてしまったようでした。結局なんの手がかりもなく、俺しか彼女のことを知らない状況で、できることなど何もありませんでした。

それからは特に変わったこともなく、高校を卒業することになりました。あの1件以来誰かと付き合うというのも考えにくかったですからね。でも、卒業式の日に下駄箱に手紙が入っていたんです。

 

「金井保仁くんへ、卒業式が終わったら飛行山に来てください。宇仁みかより」

 

俺はとても驚きましたよ。懐かしい筆跡でそう書いてあったんです。色々な感情が交錯してましたが、会いたい気持ちが一番でした。卒業式後すぐに指定された場所へと急ぎました。飛行山っていうのは学校の近くにある山で、2人で星を見に行ったりしてたんですよ。少し登るとひらけた場所があって、星を見に行くときはいつもそこで星を見ながら話をしていました。だから、飛行山に来てということはそこで会おうということだと思い、できる限り早くそこへ向かったんです。到着すると聞き慣れた声が聞こえました。

 

「久しぶり、変わってないね。」

 

彼女は以前よりも少し大人びた雰囲気で、でもかつての可愛らしい笑顔でそう言いました。

実際に彼女に会ったことで、喜怒哀楽いったいどの感情が今の自分を表しているのかわからないまま言葉を発しました。

 

「久しぶりってなんだよ!なんで、何で何にも言わずにどっか行っちゃったんだよ。みんなお前のこと忘れちゃうし。」

 

気持ちの整理がつかなくて、みっともなく泣きながら叫んでました。それに対して彼女は申し訳なさそうに答えてました。

 

「本当にごめんね。あんな別れ方しかできなくて本当はね、ずっと好きだった。もっと一緒にいたかった。だけど、別れるためにはああやって言うしかなかったの。あなたは優しいから私の言うことを尊重してくれると思って。」

……結局、君は何者なの?なんで今日ここに呼び出したの?」

「今日はね、私のことを説明しに来たの。」

彼女は真剣な顔で話し出しました。

 

「私は地球に住んでいるあなた達が言うところの宇宙人なの。突然言われてもよくわからないと思うけど、聞いてほしい。ある目的のためにこの星に来てたんだけど、ある時から帰還命令が出ていたの。それはあなたと付き合い始めてから少し経ってからよ。理由は、私があなたへの思いを日に日に強くしていったこと。結局、地球に派遣する人材には不適格とされてしまったわ。本来なら私が責任を持って全員の記憶を消すはずだったの。でも、バレないようにあなただけの記憶は消さずに済むようにしたかった。だから、別れて周囲の目を逸らしておきたかったの。いつか必ず戻って来てあなたにきちんと説明するために。」

 

俺は真剣な顔で話す彼女をただ見ることしかできなかったです。その後の彼女の話は次のようなものでした。帰還後は地球で得た知識や経験を活かして自らの立場を高めたこと、そして権限を得たことで今回また地球までこれたこと、そして最後にお願いがあるということ。そのお願いというのが、一緒に来てほしいというものでした。

 

「私と一緒に来てほしいの。身の安全は保証するわ。地球には帰ってこれないかもしれないけど満足する環境は用意する。私は今でもあなたと一緒にいたい。だから

 

俺にも彼女と一緒に行きたいという気持ちがなかったわけではありません。でも、その想いに応えることはできなかった。

 

「ごめん、俺は一緒には行けない。」

 

お互いに泣き出しそうな顔で、でも涙は流さず無言で見つめ合っていました。どれほど見つめ合っていたかわかりませんが、彼女は納得をしてように優しく微笑みました。そのあと何を話したかよく覚えてないですが、彼女と別れの時間まで取り留めのない会話をしていたと思います。そして別れの挨拶をして彼女は山奥へと立ち去って行きました。

 

それからは一度も会ってないですね。まあ、そんな感じで俺の初恋は特別な思い出として一生忘れないものなんです。

 

 

そう言いながら彼は爽やかな笑顔とともに私に初恋の思い出を語ってくれた。彼がなぜ彼女の誘いを断ったのか、深く聞いたような気もするがあまり思い出せない。理由はいろいろあったのか、単純なものだったのか、私なら何と答えただろうか、なんて考えてもあまり意味のないようなことを考えながらいつもと同じように帰りの電車に揺られていた。

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

 

 

どうも、装置新3年おーたです。

前回に引き続き拙いお話でごめんなさい。

もしあなたの身近な人が、好きな人が宇宙人だったらあなたは何を思いますか?物語の後輩くんのようについて行くことを断りますか?それともついて行きますか?

宇宙人の干渉が私たちに何を与えるかそれは実際に体験しないとわからないものだと思います。

さて、前回の私のブログを読んでくださった方は、このお話が今回の公演にちなんで書いただけのものだと思っていないでしょう。

今回伝えたかったこと、それは……ある後輩が頑なに恋愛話をしてくれないことに対する不満です!!教えてくれてもいいじゃん。

その不満から勝手に後輩から打ち明けられたことにしときました。この文章の長さは私の後輩への愛の大きさですね!!

 

最後に、こんな拙くて長い文章を最後までお読みいただきありがとうございました。後輩思いの親切な先輩がたくさんいる劇研に是非ご来場ください。

 

 

 

 

 

 

 

以下、公演情報です。

 

−−−−−−−−−−−−−−−

 

東京農業大学 農友会演劇研究部

4月見果てぬ夢公演

「夜空が僕らをみつめてる」

/辻野正樹 演出/飛田共喜

 

【あらすじ】

部長が自殺した。謎のメッセージを残して。

「俺、これから宇宙人に会いに行ってくる」

 

8年ぶりに大学の屋上に集合したUFO研究会のメンバー達。

彼らは、今日こそ、UFOをこの目で目撃しようと考えていた。

 

果たしてUFOは現れるのか?

そして、部長のメッセージとは?

 

【日程】

2017413日(木)〜2017416日(日)

 

【日時】

413日(木) 17:00

414日(金) 17:00

415日(土) 13:00〜/18:00

416日(日) 14:00

上演時間約90

開場は開演の15分前

《入場無料・予約不要》

 

【場所】

東京都世田谷区桜丘1-1-1 東京農業大学世田谷キャンパス

常磐松会館(生協上)5階 演劇研究部アトリエ

 

 

よろしければご覧ください

劇研HP

http://nodaigekiken.web.fc2.com/

TWITTER

@nodaigekiken


2017.09.22 Friday

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4月見果てぬ僕公演「夜空が僕らを見つめてる」

東京農業大学農友会演劇研究部
平成28年度4月見果てぬ僕公演
「夜空が僕らを見つめてる」
作/辻野正樹 演出/飛田共樹

4月13日(木)〜4月16日(日)に4月公演を行うことが決定いたしました。
今回は4年生が引退し、世代交代をした初めての公演となりますのでまた今までとは違う雰囲気の公演になることでしょう。
あらすじや日程などの詳細は各記事の公演情報欄をご覧ください。
皆様のご来場心よりお待ちしております。

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